御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
「この携帯をお前に預ける。謝罪が終わるまでに入った連絡で、重要だと思うものだけ俺の耳に入れてくれ」

「わかりました」


はたして私にそんな振り分けができるのかと不安が残る。
でも、今はやるしかない。
一番大事なのは、謝罪だ。


それから何度も電話が鳴った。

そのほとんどがトレーダーからの相談で、私はそれらすべてを、株式運用部の別の人に連絡するようにと一木さんに取りつがなかった。
今は彼の心を乱したくない。


ダイオー電機の社長より早く大手電気店の本社に到着すると、もうすでに来ていた営業担当の夏目(なつめ)さんに一木さんは頭を下げた。


「本当にすまなかった」

「いえ、担当は桑田さんですよね」

「桑田は俺の部下だ。俺に責任がある」


桑田さんにあんなことを言ったくせに、すべての責任を被ろうとしている彼が立派すぎる。
上に立つ者なら当然なのかもしれないけれど、少なくともトーリツにこんな上司はいなかった。
< 144 / 344 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop