御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
「あっ、あの車です」


それからすぐに滑り込んできた車から、ダイオー電機の社長が降りてきた。

まずは夏目さんが近づき、頭を下げる。
もうすでに詳細については伝わっているらしい。


「運用の責任者の一木です。このたびは本当にご迷惑をおかけしました」

「いったいいくら損害を出したと思っている。堅実な運用が魅力で君たちを信じて預けたのに、なんだこの失態は」


投資顧問会社には、ハイリスクハイリターンばかりを狙う会社もあると聞く。
でも、グローバルアセットマネジメントは違う。


「おっしゃる通りです。すべての責任は私にあります」


少しも言い訳をしない彼は、深く頭を下げたまま微動だにしない。


「謝って済む額ではない」


社長はそう言い残して行ってしまった。

投資にはリスクはつきものだし、最終的にその株を買うかどうかの判断は、顧客が行う。
でも、専門家ではないから投資顧問会社を頼りにしているのであって、桑田さんが強く推したから、購入に至ったのだろう。

それに、今回はさすがに損害額が大きい。
怒りももっともだ。
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