御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
「いえ。大丈夫です」

「もうすぐ日が変わるんだ。こんな時間に女の子ひとりで放り出せない」


もう、そんな時間なんだ。

プレジールを出たのは二十一時前。
それから彼はずっと一緒にいてくれたの?

返事に困っていると点滴が終わり帰ることになってしまった。


「俺、蓮川さんにチケット代まだ払ってなかったね」

「いえ、チケットは……」


勝手にツアーに申し込んだんだし、返してもらうつもりはなかった。


「二泊三日、カニ三昧。五木ひろしにも笑ったけど、カニにも笑った。親父のことで頭がパンクしそうだったのに、冷静になれた」


彼は「フフフ」と笑いを漏らす。


「でも、本当に助かった。あの日、プレジールに行ってよかった」


そう言われて悪い気はしない。
家がなくなり、低血糖で倒れるなんて失態してしまったけれど……。


「本当に助かった。これ」


彼は私に八万円を差し出す。


「あっ、おつり……」

「いいよ。二千円くらい」
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