御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
「いえ、ここで」

「男に恥をかかせたらダメだよ。行こう」


夏目さんはいつも強引だ。

淳也さんも強引なときもあるけれど、それとは違う。
彼は強引でも、必ず私がイヤがっていないか気にしてくれる。

淳也さんと離れてから、彼のいいところばかりが思い出されて辛い。


「ごめんなさい、行けません」


男の人とふたりきりになるということがどういうことなのか、淳也さんは教えてくれた。
だからもう、過ちは犯さない。

そうなってもいいと思う人としか、ふたりきりにはならない。


「はー。警戒されちゃってるんだ、俺。まぁ、しょうがないか。この間あんなこと言っちゃったし」


彼は大きなため息をつきながら肩を落とした。


「あの、私、夏目さんとはお付き合いできません。ごめんなさい」


そう言いながら深く頭を下げた。
しかし、彼はしばらくなにも言わない。

ふと顔を上げると、彼の真剣な眼差しとぶつかり逸らせなくなった。
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