御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
私はあんぐりと口を開いたまま固まってしまった。
そんなこと、絶対にできない。


「蓮川さんはできそうにないね。俺になけなしの金、貸してくれるくらいだし」


彼はそう言いながら優しく微笑む。


「あっ、もしかして、あのときテレビに映ってなかった?」

「テレビ?」


なんのことだろう。


「倒産が発覚した日、ニュースで大きく取り上げられただろ。たしかそのとき、怒り狂う客の前にひとりで立って、頭を下げていた女の子に似てるような……」


あの日、あの場所にいた社員は私だけ。


「そうかもしれません……」


テレビにまで映っていたなんて、知らなかった。


「そっか。それで、プレジール?」

「はい。仕事を探していたんですけどなかなか決まらなくて、とりあえずバイトです。家も社員寮扱いだったので住むところもなくなり、無職の人間に貸してくれるところもなく、マンスリーマンションに……」


あゆみにも話していなかったことを一木さんに話してしまった。
< 27 / 344 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop