御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
「採用、してくれるんですか?」

「あぁ。トーリツの給料よりは出せると思う。ただしそれなりに忙しいから覚悟して。あと、部屋も提供しよう」


ちょっと、最高の条件じゃない。


「本当ですか! でも……私、株なんてさっぱり……」

「蓮川さんにはそんなこと望んでない。事務のサポートをしてくれればいい。それで了承してくれるなら、書いて」


なんだか突き放されてしまったような気もしたけれど、彼の言うことはもっともだ。
彼だって相当勉強を積んで、今の地位があるに違いない。

私は万年筆を動かし始めた。

こんなチャンス、なかなかない。
いや、多分二度とない。


「蓮川英莉、か。二十四歳」


彼は私の手元を覗きこんで確認している。


「あっ、ちなみに俺は一木ひろしじゃなくて、淳也(じゅんや)。三十だ。女性の歳を聞いておいて言わないのも失礼だな」


三十歳なんだ。
もう少し若く見えた。

でも『ひろし』の件は、恥ずかしいのでもう言わないでほしい。
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