御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
『部屋も提供しよう』ってそういうこと?

それじゃあ、この立派なマンションは彼の物? 
さすがセレブ。
って感心している場合じゃない。


「空いていると言われましても!」


高速で上がっていくエレベーターは四十三階で止まった。


「心配するな。手を出すほど困ってはいない」


それってちょっと失礼じゃない?
まあ、手を出されても捨てられるのが目に見えているけど。


「それとも、野宿が好きなの?」

「そんなわけ……」

「家賃はいらない。その代わり、飯を作ってほしい」


彼はスタスタと長い足を動かして廊下を歩き、やがてとあるドアの前で止まった。


「どうする? 野宿かここに泊まるか」


そんなこと言われても、答えはひとつしかないじゃない。


「泊めて、ください」

「了解」


彼はニヤリと笑ってカギを開ける。


「あ、あの、マンションの契約ができたらすぐに出ていきますから」


広い玄関で靴を脱ぎ、奥に入っていく彼に声をけたけれど、彼はなにも言わない。
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