御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
番外編 お礼の品には、リボンをつけて Side淳也
互いの両親に挨拶をしてすぐに英莉と籍を入れ、それからはや一カ月。

式はまだ挙げていないが、社長としての仕事が軌道に乗ったらすぐにでもと思っている。
もちろん、彼女のドレス姿が見たいからだ。


俺が抜けたあとも株式運用部で奮闘していた英莉が、突然熱を出した。

朝、真っ赤な顔をしているので額に手を当てると、熱くて慌ててしまった。
体温を測ると、三十七度八分ある。


「今日は安静だ。俺も仕事休もうかな」

「なに言ってるんですか? 寝ていれば大丈夫ですよ。淳也さんは過保護すぎます」


英莉は熱があるくせして、呆れ顔で俺をたしなめる。
つらいのは彼女なのに、オロオロするのは俺のほう。


同じ階に住む友達の医師・香川(かがわ)に診てもらおうと連絡をしたが、今日は当直でいないらしい。

『熱以外に症状が出ていないのなら、とりあえず水分を取って安静にして』と電話でアドバイスをもらい、俺はうしろ髪を引かれる思いで会社に向かった。
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