御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
「いえ、私は……」


そっか。
こんな立派な会社だと、いくらアシスタントの事務員だといっても、それ相応の会社から転職してくるのが普通なんだ。

一瞬困ってしまったけれど、嘘をつくのはイヤだ。


「プレジールで、働いていました」

「プレジール? どこかのコンサルタントかしら」


二階のカフェだとはまったく気づいていないようだ。
まさか、だからだろう。


「プレジールってどこかで聞いたことが……」


すると今度は別の社員が声を上げる。


「あっ、ここの下のカフェが同じ名前ですよ」


すると佐橋さんが気がついて続く。
同じ名前、じゃなくて、そのプレジールなんだけど……。


「どうりで聞いたことがあるわけだ」


皆がうなずいている。
どうしよう。この雰囲気では言い出しにくい。


チラッと一木さんに視線を送ると、彼は表情ひとつ変えることなく、皆の様子を見ている。

助けてよ。
そう念じた瞬間……。
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