哀姫―アイヒメ―II
『だとしてもダメ!こんなに血飛沫が飛び散るほどやる必要は無いだろ!?気絶させるだけにしろ!!分かったな!?』
紅「...っ。そう...だよね。ごめん。ちゃんと場合を考えて殺らなきゃ。」
『だから、そこまでやらなくていいの!...心配なんだよ。』
もう、誰も傷ついてほしくない。
誰かがいなくなるのはもう嫌なんだ。
紅「吹雪...。ごめんね。私、少し狂ってるよね。自分でも分かってるの。でも、奏翔達といると自分の中の血が騒いで、喧嘩を止められないの。あの時、守ってあげればお父さんとお母さんは死ななかったとか、あの時、あいつらに近づかなかったら、あの人は撃たれなくて済んだのにとか考えちゃうの。」
紅葉...。
でも、あの人って、誰だ?
紅葉の大切な人だった奴かな...。
紅葉は、切ない瞳をしている。
...聞かない方がいいな。
話してくれるのを待とう。
紅葉は、続けて言った。
紅「そんなふうに考えていると...悪いことをしている人たちが許せなくて。なんで、アンタ達は悪いことをして周りに迷惑かけさせてるくせに知らんぷりして笑って生きてるんだって。幸せになれない人は悲しんでるのにって。そう思ったら...殺っちゃうの。」
紅葉も苦しんでいるんだ。
自分を止められなくて。
『紅葉...。紅葉は、ここ最近裏で有名のアイヒメやってるんでしょ?』
紅「な、ななな!何で知って、」
『僕の情報力舐めないでね?大丈夫。他の人達には言ってないし、プライバシーの侵害になるようなことは調べてないしね。』
紅葉は、安心したように微笑んだ。
やっぱり、何か隠してるんだな。
『まぁ、それはともかく。なんでアイヒメって名乗ってるのか知らないけど。僕は、アイヒメのアイは愛って書くと思うよ。今紅葉にはたくさんの仲間がいるからね。』
僕は、紅葉がアイヒメだとわかった時、直感的に哀姫って書くんだろうなと思った。
闇のなかで孤独に生きる哀しい少女という意味なんだろう。
本当は違うのに。
紅葉「そうだね...。」
ほら、やっぱり君は儚く笑った。
まだ、奏翔たちのことを完全に信用してないんだろう。
いつか、信じてくれる日が来るといいな。
奏「────!!────は!紅羽!雪夜!」
あらあら、わが総長が必死にこちらに向かってきてますね。。
『紅羽...。後で話があるから連絡したら僕の所に来てね。』
紅葉「...?分かった。」
紅葉は不思議そうにうなづいた。
紅葉、僕はずっと君のそばにいるから。
────頼ってよ...。