哀姫―アイヒメ―II



奏翔side






俺は、雪夜から連絡を受けてスグに、西海岸へ走り出した。






途中で新達とも合流して皆と行くことにした。







西海岸が見えてくると紅羽と雪夜が話しているのが見える。







目を覚ましたんだな。









って、ちょっと待て。








...この光景は...。







羽「え、ちょ、な、何これ。」








百「何があったの!?」







新「これは酷すぎだろ。」







そう、西海岸は紅羽を中心に血飛沫が飛び散っていた。







まるで、喧嘩でもしたかのように。






『紅羽!雪夜!』










俺達は、急いで紅羽たちの元へ走った。








『おい、紅羽一体ここで何が...。』








紅「えっと、あの、その...。」








紅羽は、何故か戸惑っていた。








何故、戸惑う?








これを紅羽がやったからなのか?








雪「僕から説明するよ。」








雪夜が戸惑う紅羽を庇うように言った。








雪「紅羽ね、アイヒメに助けられたみたいだよ。」







!?







アイヒメだと!?








アイヒメは、今裏で有名な女だ。








紅の歌を歌いながら次々に、悪いヤツらを倒していき、辺りを血で染まらせてしまうらしい。







歌詞の«紅の花弁»というのは血のことだと考えられているらしい。







だから、アイヒメ、別名紅の歌姫又は紅の姫と呼ばれているわけだ。







その姫がこの海岸にいたと言うのか?







アイヒメは、俺らの県とその周辺の県にしか現れないから沖縄なんて遠いところに住んでいるわけがない。







つまり、アイヒメは俺らの学校の生徒、しかも俺らの学年の生徒だと考えられる。







観光で来たという場合もあるから、百パーセント学園の生徒だとは言い切れないが可能性はあるという事だ。







でも、俺らの学年で強い奴なんて...。








...考えれば考えるほど分からなくなってきた。







1度保留にしておこう。







雪「たまたま、通りすがったアイヒメが紅羽を助けようとして喧嘩をし始めたんだけど...。」







雪夜は、紅羽の代わりに途中まで説明すると紅羽の方を見た。







紅「えっと、そのね。あまりに、アイヒメさんの喧嘩が凄まじくて目の前で見てた私は倒れちゃったの。」







確かに、アイヒメの喧嘩を見て倒れない女はそうそういないだろうな。







ましてや、喧嘩の様子をあまり見なそうな紅羽が見るなんて絶対倒れるに決まってるだろう。







『そうか、とにかく無事で何よりだ。』






俺は口角をあげて言った。











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