きっと2人は恋をする
朝の準備を終え、朝食を済ませた。準備を終えた頃にはなっちゃんは第二の朝食を済ませていた。

「三人共、お待たせ。行こうか」

私は皆に声を掛けた。

「小春、やっと終わったね。あたし、暇過ぎて漫画本一冊読み終わったよ」

「ゆきちゃん、ごめーん!!」

「いいよ、別に。小春を待つって言ったの私だし」

ゆきちゃんの優しさにはついつい甘えそうになってしまう。気をつけなければ……。

「それじゃあ、お父さん、お母さん。いってきます」

「いってらっしゃい。気をつけていくのよ」

「いってらっしゃい。今日も頑張ってこいよ」

お父さんとお母さんの声を聞き扉を開けた。目の前には自転車が二台。なっちゃんとひろくんの自転車だ。

「ほら、小春。早く乗れよ。」

「じゃあ、ゆっきーは俺の自転車だね。」

二人が自分の自転車の後ろをポンポンと叩いた。

「なっちゃん、ありがとう!!」

「今日は大空の自転車か……」

ゆきちゃんは少し不満そうに答えた。

「ちょっと、ゆっきー酷くない? ねぇ、二人共どう思う?」

「大空ー、早く行かねぇとあいつら待ってるぞー」

そう言ってなっちゃんは自転車を漕ぐ体制になった。

「小春、ちゃんと捕まっとけよ!!」

「了解、なっちゃん!!」

私はなっちゃんにギュッと捕まった。私がちゃんと捕まったのを確認したなっちゃんは勢いよく自転車を漕ぎ始めた。

「ちょっと、二人共!?」

「ほら、大空。あたし達も行くよ。」

二人の声が後ろから聞こえてくる。数秒後ゆきちゃんとひろくんも後を追いかけてきた。

少し冷たい風が四人の頬を撫でた。
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