[実話]16歳〜私の生きた道〜
悪夢
朝いつもどおり健さんは家を出る。
私も一緒に出て、街に友だちを迎えに行った…。
朝の冷たく澄んだ風が、眠気をすっきりとさせてくれる。
まだどこのお店も開いてもいない街中へと出かけ、友だちが来るまで時間をつぶした。
はじめて友だちが健さんと会うから、健さんを恐がらないか少し不安だった。
日が暮れて寒さが強くなる頃、友だちは来た。
「お待たせ〜」 
「待った?」
同じクラスの和田ゆき。
誰とでも仲がいいこの子は私と真逆の性格で、友だちなのが不思議なくらいだ。
学校に行かなくなった私に家が近くだからという理由で、課題やノートのコピーを持ってきて勉強を教えてくれた。
そのおかげで私もなんとか勉強に遅れるようなことはなかった。
「寒いね」
「冬だし寒いよ」
「課題終わった?」
「まだやってないよ。持って来てはいるけど」
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