強引社長といきなり政略結婚!?
ちょっとばかり乗れるからといって、調子に乗っていた節はある。肝に銘じておこう。
「汐里、帰ろう」
再び私を抱き上げようとした朝比奈さんの手を制止する。
「歩けます」
長いこと私をお姫様抱っこして歩いたのだ。これ以上は手が持たないだろう。
ところが、すぐに後悔することとなった。立ったはいいものの、足を数歩出したところで動けなくなる。強気に言い切った手前、なんとか歩こうと思ったけれど、お尻が痛くてたまらない。
「無理はするな」
結局、朝比奈さんのお世話になるしかなくて、私はなんとも恥ずかしい体勢で乗馬クラブのみなさんに挨拶をするはめになったのだった。