強引社長といきなり政略結婚!?

「ちょっと待ってください! 私の都合は聞かないんですか?」


勝手に決めるなんて、あまりにも強引だ。


『予定が埋まってる?』

「……いえ、そういうわけじゃ」


そう聞かれると困る。なんせ、私の予定といったら日中のアルバイト以外にないときているのだから。手帳すら必要としない。


『なら決まりだ。仕事が終わったら迎えに行く。汐里はとにかくそれまでに打撲を治しておくこと』

「ですから、もう大丈夫なんです。今日だってアルバイトしてきましたから」

『――は!?』


甘い声がワントーン上がる。


「ちゃんと働けるまでに回復しています」

『なんで休まなかったんだよ。昨日の今日だぞ』


強い口調で叱責されてしまった。

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