強引社長といきなり政略結婚!?

「……はい」


朝比奈さんの腕の中でうなずいた。


「汐里……」


朝比奈さんが私の名前を呼ぶだけで、鼓動が速まる。
背中に回された朝比奈さんの手が、ワンピースのファスナーをゆっくり下ろしていく。
一気に緊張に包まれ、思わず朝比奈さんのシャツをぎゅっと握った。


「怖がらなくて大丈夫だ」


朝比奈さんが優しく微笑む。
それに微笑み返す余裕はない。ぎこちなく目を逸らしてから瞼を伏せると、彼の唇が私の唇にそっと触れた。
労りを込めたような優しいキスを繰り返されるうちに、体のこわばりが解けていく。

彼の背中に手を回し直すと、それを待っていたかのように口づけが深くなった。
夢中になってそれに応える。
朝比奈さん以外、新たな婚約者の出現も会長さんに反対されていることも、浩輔くんのことも、頭から消え去っていく。

いつの間にか一糸まとわぬ姿になっていた私。キスをしながら、彼が器用に脱がせてしまったのか。そのことにも気づかずにいたのかと、頬が熱を持つ。

朝比奈さんは私にまたがり両膝を突いた状態で、ワイシャツを脱ぎ始めた。
自分のあられもない姿が恥ずかしくて、つい手で隠して顔を背ける。
期待と不安で、心臓が今にも限界を迎えてしまいそう。

すべてを脱ぎ去った朝比奈さんは、ゆっくりと私に倒れ込み首筋に唇を這わせた。

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