強引社長といきなり政略結婚!?
私に会いたかったと言われたようで心が弾む。
「おじさん、どうでした?」
『そのこと、藤沢社長から?』
私が知っていることに驚いたようだった。
「いえ、日下部さんから聞きました」
『そうか。専務のことは、汐里は心配しなくていい』
「それじゃ、いい方向に?」
『どうかな。ただ、こちら側の意向は伝えてきたよ』
“どうかな”という返答に、どうしても不安を感じてしまう。絶対的な“イエス”がほしかった。
強硬な姿勢だったおじさんが、あっさりと意見を覆すように思えないだけに、一成さんの答えはほしいものとは違っていた。
日下部さんに『彼を信じています』と言ったくせに。
『心配するなって』
私がつい押し黙っていると、一成さんは軽く笑い飛ばした。