強引社長といきなり政略結婚!?

でも、そうされて引っ込む私ではない。
首を伸ばしてモニターを覗くと、そこには浩輔くんの顔が映っていた。


「汐里様が寝込んでいる間にも、こうして何度もお見えになっていたのです」

「……そうだったの?」


全然知らなかった。


「とにかく帰っていただきますので、汐里様はお部屋へお戻りくださいませ」


多恵さんはそう言うと、玄関の物置からほうきを取り出して逆さに持った。臨戦態勢はばっちりだ。


「待って、多恵さん。私が応対する」

「……ですが」

「大丈夫。この前のことを謝りたいのかもしれない」


自宅まで来て、また私を連れ出そうとは思わないだろう。


「……では、私もおそばに」


多恵さんはそう言って一歩下がると、私に寄り添うようにしてドアを開けた。

< 356 / 389 >

この作品をシェア

pagetop