強引社長といきなり政略結婚!?
「大人の事情が絡んだ結婚ではなかったのですか?」
つまり“政略結婚”だと言いたいのだろう。
オブラートに包んでいるつもりなのかもしれないが、全然その効果はない。
そもそもその話を知っているのに私たちの馴れ初めを聞くなんて、大泉さんも人が悪い。
私まで押し黙ると、一成さんはそっと私の手を握った。俺に任せろと言っているようだ。
「藤沢ゴルフ倶楽部に興味があったのは事実。でもそれは、あくまでもきっかけ。どんな令嬢かと見に行った喫茶店で、威勢のいい汐里に惚れ込んだんだ」
“威勢のいい”という部分は若干引っかかったものの、一成さんに改めてはっきり言われると嬉しい。
「威勢がいいとは、具体的にどんな風に?」
大泉さんが興味津々といった様子で先を急かしながらペンをとった。
「お客の手を捻りあ……」
「一成さん!」
一成さんに待ったをかけるべく、肘を掴み慌てて止める。