強引社長といきなり政略結婚!?

「……一緒に働いているアルバイトの女の子のお尻を触ったお客さんを咎めただけですから」

「それは勇敢ですね」

「撃退なんて大げさなものじゃないんです」


おてんばだという印象を持たれないように、そこは必死にカバーする。
大泉さんはしきりにうなずいた。


「社長は勇気のある汐里さんに好意を持ったと。でも会ってすぐにプロポーズでは、相当驚かれたのでは?」

「そうですね。正直言ってしまうと、最初は頭がどうかしているのかと思いました」

「俺はいたって正常だ」


隣で一成さんが不服そうな顔をして突っ込みを入れるから、私も負けずに「でもそう思ったんです」と返す。


「そのあとは追いかけ回されましたし」

「あれは汐里が逃げたからだ」

「追いかけられたら普通は逃げませんか?」

「逃げるから追いかけるんだろう?」


“ニワトリとタマゴはどちらが先か”のように、永遠に決着のつかない難題だ。

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