強引社長といきなり政略結婚!?

「汐里とデートだって言っているわよ」

「そんな話してないってばー」


勝手に押しかけてきて私の睡眠を奪うとは、なんて不届き者だ。


「してなくても行くのよ」


母が今度は私の腕を引っ張って、無理やり体を起こした。か細い腕をした彼女の、どこにそんな力が。


「朝比奈さんには待っていただくから、シャワー浴びて目を覚ましてから着替えていらっしゃい。できればスカートじゃなくパンツがいいっておっしゃってたわ」


スカートじゃなくパンツ?
どうしてそんな指示までされなきゃならないのか。
反抗的にもう一度ベッドにゴロンと横になると、母は冷たく私を見下ろした。


「そういう態度を取るなら、朝比奈さんをここに呼びましょうか」


脅しで攻めてくるとは。


「もー。……わかったってば。支度するから」

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