強引社長といきなり政略結婚!?

「俺に会うために綺麗にしてくれたってわけか」


朝比奈さんの口角が、マリオネットみたいに上がる。ニヤリという表現がぴったりだ。


「ち、違います! ただ単に目を覚ますためですから」

「甘い香りで気を引くなんてかわいいな、汐里は」

「だから、違――」


不意に唇に朝比奈さんの人差し指が当てられる。“黙って”とばかりに口を止められた。


「意地っ張りなところも、俺好み」


チュッと音を立てて、朝比奈さんの唇が頬に触れた。


「ひゃっ……」


頬を抑えながら彼を見ると、今度は額にキス。驚いているうちに、さらに唇同士が重なった。
三段階の攻撃に目が点になる。


「おはようのキス」


悪びれもせず、朝比奈さんは目を細めた。

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