強引社長といきなり政略結婚!?
「でも、私がアルバイトだったらどうしたんですか?」
「その心配は無用。前もって店に聞いておいた」
「――え!? お店に!?」
田辺さん、私の休みを簡単に教えちゃったの!?
個人情報をうるさく問われる時代だというのに、その甘さはなんなのか。
「汐里の婚約者だと言ったら、あっさり教えてくれたよ」
わざと聞こえるように大きなため息を吐く。
田辺さんも田辺さんだ。それが嘘だとは思わなかったのか。
そもそも、私は本当に婚約者ではない。まだそんな約束は交わしていないのだから。
当たるところがなくて、田辺さんを悪者に仕立て上げてしまう。
「そんなに嫌そうな顔されると、俄然やる気が湧いてくる」
「……なんですかそれ」
そんな態度を人から取られたら、一歩引いてしまうのが普通だろうに。ある意味、性格がねじ曲がっている。
朝比奈さんはニッと笑った。