強引社長といきなり政略結婚!?
「それで、いったいどこへ行くんですか?」
「コンラッド開発を知ってもらおうと思ってね」
朝比奈さんは鼻の下をこすった。
「朝比奈さんの会社を?」
「俺の妻になるんだ。会社のことを全然知らないわけにはいかないだろう?」
「つ、つ、つ、妻!?」
思わず言葉に詰まると、朝比奈さんは私のことを横目でチラッと見てクスッと笑った。
「うちは主にリゾートを開発している会社で、日本全国に施設は点在しているんだ」
「ゆかりちゃんからチラッと聞きました。――あ、同じお店に働いている女の子です」
「あぁ、あの小柄の?」
すぐにピンときたらしい。かわいいゆかりちゃんのことだ。覚えていないわけもない。
「はい。彼女、今大学四年生なんですが、コンラッド開発の採用試験に落ちたそうで」
「それは悪いことをしたね。昨年だったら、ちょうど父の死でバタバタしていたころだろうな」