オフィスに彼氏が二人います⁉︎
「いや、その……」
「今日ね、ほんとにトモミちゃんと二人で飲んでたの。だけど、帰り際にたまたま時山部長と会って。でね、時山部長は知り合いの方と来ていたんだけど、その知り合いの方が偶然トモミちゃんと知り合いで、二人はちょっと離れたところで話をしに行ったの」
なるほど。俺が七香と時山部長を見たのは、たまたま二人きりになっていたそのタイミングだったのか。
「その後すぐにトモミちゃんたちが戻ってきて、時山部長たちとはその場で別れたよ。
…….家に帰ってから、紘希くんに誤解を問い詰められたらちゃんと説明するつもりだった。
だけど、何も聞いてすらくれないから、私のこと何とも思ってないのかなって不安になって、それで、私のことちゃんと彼女として見てくれるようにこんなこと……」
……ああ。俺は最低だな。彼女にこんな不安な思いをさせていたなんて。
「……何も聞かなかったのは、俺に勇気がなかったからだよ。七香は何も悪くない」
「本当……?」
「ああ」
俺は七香をぎゅっと抱き締めた。七香の感触、香り、全てが愛しい。七香に不安な思いは、もうさせたくない。これからは、もっと自分に自信を持っていきたい。
「紘希くん……」
「七香、好きだよ」
見つめ合って、キスをする。離しては、また近付けて。何度も、何度も。
深く交わしたそれは、やがてどちらからともなく離れ……。
そして。
「安心した」
至近距離で七香がそう言って笑ってくれた。
この笑顔を、これからも守っていきたい。
そう思いながら彼女をベッドに押し倒そうとしたその時ーー。
「安心したら眠くなっちゃった!」
「え?」
「お休み!」
「え? ええ?」
何かの冗談かと思ったが、七香はそのまま本当に眠ってしまった。
「お、おい、嘘だろ⁉︎」
信じらんねー‼︎ 理由はともあれ自分から誘っといて先に寝るとかー‼︎
何度か揺すってみたけど、起きる気配はない。
……全く。七香ってちょっと天然なところあるよな。
だけど、そんなところが好きだから。
これからも、ずっと一緒にいたい。
こんな俺だけど、これからもよろしくな。
**End**
「今日ね、ほんとにトモミちゃんと二人で飲んでたの。だけど、帰り際にたまたま時山部長と会って。でね、時山部長は知り合いの方と来ていたんだけど、その知り合いの方が偶然トモミちゃんと知り合いで、二人はちょっと離れたところで話をしに行ったの」
なるほど。俺が七香と時山部長を見たのは、たまたま二人きりになっていたそのタイミングだったのか。
「その後すぐにトモミちゃんたちが戻ってきて、時山部長たちとはその場で別れたよ。
…….家に帰ってから、紘希くんに誤解を問い詰められたらちゃんと説明するつもりだった。
だけど、何も聞いてすらくれないから、私のこと何とも思ってないのかなって不安になって、それで、私のことちゃんと彼女として見てくれるようにこんなこと……」
……ああ。俺は最低だな。彼女にこんな不安な思いをさせていたなんて。
「……何も聞かなかったのは、俺に勇気がなかったからだよ。七香は何も悪くない」
「本当……?」
「ああ」
俺は七香をぎゅっと抱き締めた。七香の感触、香り、全てが愛しい。七香に不安な思いは、もうさせたくない。これからは、もっと自分に自信を持っていきたい。
「紘希くん……」
「七香、好きだよ」
見つめ合って、キスをする。離しては、また近付けて。何度も、何度も。
深く交わしたそれは、やがてどちらからともなく離れ……。
そして。
「安心した」
至近距離で七香がそう言って笑ってくれた。
この笑顔を、これからも守っていきたい。
そう思いながら彼女をベッドに押し倒そうとしたその時ーー。
「安心したら眠くなっちゃった!」
「え?」
「お休み!」
「え? ええ?」
何かの冗談かと思ったが、七香はそのまま本当に眠ってしまった。
「お、おい、嘘だろ⁉︎」
信じらんねー‼︎ 理由はともあれ自分から誘っといて先に寝るとかー‼︎
何度か揺すってみたけど、起きる気配はない。
……全く。七香ってちょっと天然なところあるよな。
だけど、そんなところが好きだから。
これからも、ずっと一緒にいたい。
こんな俺だけど、これからもよろしくな。
**End**


