オフィスに彼氏が二人います⁉︎
「あ~あ。私も久我くんみたいな人と付き合いた~い」
背伸びをして仰け反りながらそう言うと、久我くんが「え?」と私を見つめる。
「遠慮せずになんでも話せて、やさしくて、ついでに仕事の話もできる。どこかにいないかな、久我くんみたいな人~」
言い終わるのと同時に姿勢を戻すと、久我くんが無言で私のことをじっと見つめているのがわかった。
「久我くん?」
「……あのさ、七香」
いつになく真剣な表情の久我くんに、なんだか身体が緊張を覚える。
「なに?」と尋ねると、少しの間の後、彼は口を開く。
「……俺、ほんとは……」
「あっ!」
彼の言葉を遮って、私は大きな声をあげた。話の途中だった彼は、思わず身体をビク、と震わせる。
「ご、ごめん久我くん。気づいたらこんな時間! 終電に乗り遅れちゃう!」
「え、あ。そっか。悪い、俺も気にしてなくて」
「ううん! 久我くんは逆方面だからまだ電車あるし! ええと、お財布お財布……」
「いいよ。回復のお祝いってことで、今日は俺が出しとくから、早く行け。駅すぐそこだし、道も明るいから一人でも大丈夫だよな」
「う、うん。えーと……じゃあ、ごめん! 今度私がなにか奢るから!」
顔の前で両手をパンと合わせたあと、私は走って居酒屋を後にした。
ああ久我くん。本当に良い人。でも久我くんの彼女さんに悪いし、あんまり迷惑かけないようにしなきゃなぁ。
……あ。久我くんの話ってなんだったんだろ。今度改めて聞こう。
背伸びをして仰け反りながらそう言うと、久我くんが「え?」と私を見つめる。
「遠慮せずになんでも話せて、やさしくて、ついでに仕事の話もできる。どこかにいないかな、久我くんみたいな人~」
言い終わるのと同時に姿勢を戻すと、久我くんが無言で私のことをじっと見つめているのがわかった。
「久我くん?」
「……あのさ、七香」
いつになく真剣な表情の久我くんに、なんだか身体が緊張を覚える。
「なに?」と尋ねると、少しの間の後、彼は口を開く。
「……俺、ほんとは……」
「あっ!」
彼の言葉を遮って、私は大きな声をあげた。話の途中だった彼は、思わず身体をビク、と震わせる。
「ご、ごめん久我くん。気づいたらこんな時間! 終電に乗り遅れちゃう!」
「え、あ。そっか。悪い、俺も気にしてなくて」
「ううん! 久我くんは逆方面だからまだ電車あるし! ええと、お財布お財布……」
「いいよ。回復のお祝いってことで、今日は俺が出しとくから、早く行け。駅すぐそこだし、道も明るいから一人でも大丈夫だよな」
「う、うん。えーと……じゃあ、ごめん! 今度私がなにか奢るから!」
顔の前で両手をパンと合わせたあと、私は走って居酒屋を後にした。
ああ久我くん。本当に良い人。でも久我くんの彼女さんに悪いし、あんまり迷惑かけないようにしなきゃなぁ。
……あ。久我くんの話ってなんだったんだろ。今度改めて聞こう。