オフィスに彼氏が二人います⁉︎
「ん……っ⁉︎」

何が、起こっているの。


私、久我くんにキスされてる。



「やっ、んん……!」

何とか唇を離して拒絶の言葉を口にするも、今度はキスをされる。
逃げ出したいけど、久我くんとソファの背もたれに挟まれていて、逃げ場がない。


「は……っ」

呼吸を荒くして私の唇を奪う久我くんが、知らない人に見えた。


怖い。




するとその時、時山部長が私の横に座りこみ、私の上着を流そうとしてきた。


ゾクッと、全身が冷えた感覚がした。



「……やめてぇっ‼︎」

何とか力を振り絞り、私は二人を突き飛ばし、逃げるようにソファから落ちた。



はあはあと息が乱れる。恐怖を感じた心臓がうるさい。涙が溢れてくる。


……二人が悪いわけじゃない。二人は私を好きでいてくれているだけ。ハッキリしない態度を取っている私が悪いんだ。


でも。




「……帰りますっ‼︎」



叫ぶようにそう言って、私は家を飛び出した。
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