オフィスに彼氏が二人います⁉︎
マンションを出ると、人通りはまだ多く、街灯も明るくて少しだけホッとした。二人が追い掛けてくる気配はなかったけど、駅までは近い道のりなので、私は走った。


こんなことになるなんて思いもしなかった。

でも、三人で付き合うというのはこういうことなのかもしれない。私がただ、能天気だっただけかもしれない。


時山部長の様子もおかしかったけど、まさかあの久我くんが無理やりキスしてくるとは夢にも思わなかった。


久我くんは一体どんな気持ちで私にキスしてきたんだろう……。



……って、私さっきから久我くんのことばっかり考えてる。時山部長にもキス、されたのに。



久我くんは今、どんな思いをしている? 何を考えてる?

ダメだ。久我くんとのキスの感触が忘れられそうにない。


……私、時山部長にキスをされた時は全身が拒絶していた。
だけど、久我くんとキスをした時はーー


もちろん嫌だったし怖かったけど、時山部長の時に感じた拒絶とは、違うものだった気がする。



こんな時にこんな風に思うなんてどうかしてるかもしれないけど、



私、久我くんのことが好きなのかもしれない……。
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