先生、もっと抱きしめて
教卓の上につく先生の腕を見ていると、細いけど引き締まってることに気がついた。

……何だろ、私。
昨日から、先生のこと、そんな風にばっかり……。

ふと、目が合う。
すぐに逸れたけれど、それを残念に思ったりする。

なんだろう、この気持ち。
ざわざわ、ぎゅっと締め付けられるこの思い。

ヒロトに丸ごと注いでたこの気持ち、なんで先生に向いてるんだろう。

相手は先生なのに。
しかも、イケメンでもない、取り立てて人気が高いわけでもない、ごくふつうの教師に。


先生のせいだ。
昨日、先生が、私を慰めるから。
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