先生、もっと抱きしめて
おとなしくちんまりと座ると、マツタクは自分のデスクの椅子を持ってきて隣に座った。
メガネの奥に見える瞳を確かめるように見つめた。
メガネを掛けてる先生も、……かっこいいのかも。

「宿題は?した?」

「あ、ちゃんと書いたよ」

ふっと近づいた時に、甘い匂いがした。

「先生、アメ舐めてる?」

「うん。わかる?」

「うん。甘い匂いする……」

ちょっと顔を近づけてくんくんと匂うと、マツタクはギョッとした顔で後ずさりした。

「え、何先生」

「動物かよ!」

「だって、先生がいい匂いさせてるから……」

あ……先生の顔が赤い。

「恥ずかしいだろ、なんか。立場逆だったらセクハラだぞ」

え~……。
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