先生、もっと抱きしめて
「褒めてるよ!かっこいいよ!びっくりした」

「はいはい」

「えーっ聞き流すの?!からかってないよ?」

「もういいよ。行くぞ」


ええ~、本当なのに……。
ここは「サンキュー!」とはにかんでほしいところなのに!

マツタクって、結構かっこいいんじゃない?!
私、どこかおかしくなってるのかなぁ。


涼しげで切れ長の、奥二重の目。黒い瞳。
襟足がかわいい。
黒髪はまっすぐで、スーツはちょっと細身。

スタスタ先を歩くマツタクに必死でついていく。


「もう、早いよ先生」

「開始時刻はとっくに過ぎてるからな」


数学準備室を開ける。
資料が散乱してるデスクの隣の、長机に椅子一脚を指差され、「そこ座って」と言われた。
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