狼社長の溺愛から逃げられません!
 

「有川さん大変です!」

その様子に驚いて手を止めると、周りにいた宣伝部のみんなの視線がこちらに集まる。
たくさんの視線に言いづらそうに周りを見回した後、鳥谷部さんがおずおずと口を開く。

「出演を予定していたレナと彼氏が、今日来れないって……」
「えぇ!?」

その言葉に、思わず耳を疑った。

モデルのレナさんと彼氏の登場は、試写会のメインイベントだ。テレビやマスコミ向けの案内状にもしっかり明記していたのに。

最近は恋人とつきあっていることをオープンにして、同年代の女性たちの支持をあつめるタレントさんが多くいる。

今回のレナさんも、所属するモデル事務所の方から彼氏との仲良く微笑ましい姿を読者さんに見てもらうことで、さらに人気を集めステップアップしてほしいという希望があった。

だから、人気モデルと一般人の彼氏がそろって登場ということが大きな売りになっていたのに。

「なにがあったんですか?」

私が青ざめながら聞くと、鳥谷部さんは言いにくそうにうつむいた。


 
< 116 / 273 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop