狼社長の溺愛から逃げられません!
「入社したときからあいつは同期の中でも群を抜いて仕事ができて、目立ってた。女からもモテて、いつのまにか紗英と付き合っていて。如月と黒瀬と俺と紗英と、いつも四人でつるんでた仲間だったのに、俺たちにだまってふたりが付き合ってたのが許せなかった」
その口調に、もしかして、と思う。
ちらりと小笠原さんの顔をうかがうと、私の視線から逃げるように背を向けてビールをあおる。
「それだけならいいけど、紗英と付き合ってるのに黒瀬は冷たい態度ばかりとってた。とても恋人同士には見えなくて、紗英が不憫だった。結局映画の宣伝に利用されて日本の芸能界を追われて」
小笠原さんは当時の悔しかった気持ちを思い出したように、顔をしかめてため息をついた。
「それなのに、試写会であいつがあんたのことをあんなに優しくリードして踊ってるのを見て、無性にイライラした。ほかの女にそんなに優しくできるなら、どうして紗英にもっと優しくしてやんなかったんだよって」