狼社長の溺愛から逃げられません!
はぁーーーーー。と体がしぼんでしまいそうなくらい長いため息に首をかしげる。
「古賀さん、どうしたんですか?」
華絵さんになで回されたせいでぐちゃぐちゃになった髪のまま、古賀さんの顔をのぞきこむと、古賀さんが「うっ」と喉をつまらせた。
口元に手をやり、首を横に振りながら口を開く。
「……いや。有川さん、本当にうちの愛犬に似てるなと思って」
「あ、ありがとうございます?」
なんでそんなことを涙をこらえながら言うんだろう。
それほど愛犬が恋しいのかな。それとも忙しすぎて疲れが溜まっているのかな。なんて色々心配になる。
「だから、あんたは本当にヘタレなんだから! そんな遠回りで見当違いなことを言っても伝わんないってそろそろ気づきなさいよ」
華絵さんにベチンと背中を叩かれ、古賀さんが咳き込む。
一体なんなんだとハラハラしていると、ようやく咳が止まった古賀さんがこちらを見た。
「じゃあ、もう無理だって分かってるけど、はっきり言ってもいい?」
「はい?」
こほん、とひとつ咳をして、古賀さんが背筋を伸ばす。
「俺はずっと有川さんのことを……」
そう言いかけたとき。