狼社長の溺愛から逃げられません!
人で溢れた電車になんて、乗りたくない。
努との思い出のある部屋に、ひとりきりで帰りたくない。
でも、誰にも会いたくない。
どうしていいのかわからない。
いっそどこか遠い場所へ行ってしまいたい。
エレベーターホールの前で立ち尽くしていると、ポーンと音がして目の前の扉が左右に開いた。
エレベーターに乗るために一歩足を踏み出そうとして、その一歩が動かなくて途方に暮れた。