狼社長の溺愛から逃げられません!
社長は私の背中側の壁に手をつき、こちらを見下ろす。
ドキドキしてしまうほど距離が近くて、思わず肩をすくめて息をのんだ。
「そうやって逃げないと、俺がところかまわずキスするとでも思ってる?」
微かに首をかたむけ、低い声で耳元でささやかれ、私は慌てて首を横に振る。
「そ、そういうわけじゃ……」
冷や汗をかきながら言い訳を口にすると、長い指が私の顎をすくいあげた。
「社内で見境なくキスするわけないだろ」
クスクスと笑いながら私を見下ろす。
「ほんと、ですか……?」
じゃあ、今までみたいに常に警戒してなくていいのかな?
ほっとした私に、意地悪な笑みを浮かべる社長は、ゆっくりと身をかがめてこちらに顔を近づけた。
「ま。ふたりきりのときはするけど」
「え……?」
からかうような笑いを含んだ言葉にパチパチと瞬きをすると、顎を持ち上げられ上を向かされた。そして額に社長の黒い髪が触れる。
上からキスが降ってきて、びくんと肩が揺れた。