狼社長の溺愛から逃げられません!
二年も付き合ったはじめての彼氏だったのに、こんなに短い期間で存在を忘れていたなんて。
別れたときはあんなに悲しかったのに、今は思い出しても少しも胸が痛まない。
「華絵さん、私ってすごく薄情なのかも」
私が深刻な表情でそう言うと、華絵さんは声を上げて笑った。
「薄情なんかじゃないって。別れた男のことなんてさっさと忘れていいよ」
あっさりとそう言われ、肩の力が抜けた。
「ていうか、美月ちゃんの中では付き合ってる頃からとっくに気持ちに区切りがついてたんだよ」
「そうなんですかね」
華絵さんの言葉に、少し複雑な思いで頷いた。
「そうそう。人生は短いんだから、終わった恋なんて忘れて今好きな人のことを考えてればいいと思うよ」
「今好きな人ですか……」
そう言われ、反射的に社長の姿が浮かんでしまう。
社長に振り回される私を見て面白がる意地悪な笑みを思い出し、慌てて頭を横に振った。
どうしてここで社長の顔を思い浮かべてしまうんだ!
社長を好きになったって、相手にされるわけがないのに!!
必死に頭からその姿を追い出そうとしていると、華絵さんに「なにしてるの」と笑われた。