いじめっ子には愛の鎖を
「さて。もう今日は時間も遅い。
女性が一人夜道を歩くのは危ないから、僕が送っていくよ」
そんな赤木さんの親切心を、
「ありがとうございます。
でも……大丈夫です」
あたしは断る。
これ以上振り回してはいけないと思うのはもちろん、あたしは淳太君と同じ家に住んでいるから。
何かの拍子に淳太君と赤木さんが鉢合わせたら……
あたしと淳太君の関係が知られたら……
淳太君は小林さんのいる営業部に飛ばされるに違いない。
そうすれば、小林さんの思う壺だ。
きっと家に帰ったら、淳太君がイラついて文句を言うのだろう。
そしてあたしは、勢いで赤木さんと食事したことに罪悪感を感じるのだろう。
そんなこと分かっていた。