いじめっ子には愛の鎖を
次の日……
オフィスに着くと、あからさまにしゅんとした岡部君がいた。
あたしにビールをかけたことを反省してくれているのか。
「藤井さん……ごめんなさい」
しゅんとしたまま謝るものだから、
「大丈夫だよ」
なんて許してしまう。
そんなあたしに、
「桃華ちゃんは甘いのよ」
鮎川さんが言う。
「あたしだったら、岡部君を血祭りに上げるわ」
あたしも出来ることなら、もっと怒ってやりたい。
淳太君にしたみたいに、豪快にブチ切れてやりたい。
でも、演技でも落ち込んでいる岡部君を見ると何も言えなくなるのだ。
そして、岡部君のおかげで、淳太君と一緒に帰ることが出来たのも事実だった。