好きな人が現れても……
月曜日の朝、出勤してきた横山はいつも以上に無表情だった。昨日は真央の影響もあったのか、始終ニコニコとしていたのに。
「横山さん」
デスクに近付き声をかけると、ビクッと肩を揺らして振り返る。
はい…という声も鼻にかかっていて、風邪気味か?と訊ねた。
「いえ、あの…別にそういう訳では……」
目を伏せがちにして答える雰囲気もいつもとは違う。
何があった?と思いながらも、それ以上は質問を避けた。
「昨日はどうもありがとう。真央がデザートを喜んでたよ」
空になったタッパーを返しながら、これも美味かった…と言うと、受け取りながら小さな声で、良かった…と呟く。
元気がないな、と思ったが、踏み込んで聞いてはいけない雰囲気も感じた。
「来週の親子クッキング教室は頑張るよ」
そう言うと顔を上げ、声も発せずに微笑む。
もともと喜怒哀楽を出すのを我慢する癖があるのか、分かり難いが嬉しそうだ。
それじゃ…と言って背中を向けたら、視界の端に見えた手がぎゅっと握られる。
その手元に気を取られながら、上座のデスクに着いて仕事を始めた。
「横山さん」
デスクに近付き声をかけると、ビクッと肩を揺らして振り返る。
はい…という声も鼻にかかっていて、風邪気味か?と訊ねた。
「いえ、あの…別にそういう訳では……」
目を伏せがちにして答える雰囲気もいつもとは違う。
何があった?と思いながらも、それ以上は質問を避けた。
「昨日はどうもありがとう。真央がデザートを喜んでたよ」
空になったタッパーを返しながら、これも美味かった…と言うと、受け取りながら小さな声で、良かった…と呟く。
元気がないな、と思ったが、踏み込んで聞いてはいけない雰囲気も感じた。
「来週の親子クッキング教室は頑張るよ」
そう言うと顔を上げ、声も発せずに微笑む。
もともと喜怒哀楽を出すのを我慢する癖があるのか、分かり難いが嬉しそうだ。
それじゃ…と言って背中を向けたら、視界の端に見えた手がぎゅっと握られる。
その手元に気を取られながら、上座のデスクに着いて仕事を始めた。