好きな人が現れても……
暫く社内が騒然としそうだと話し合うものだから焦る。

自分以外にも彼のことを思う女子なら確かに大勢いるかもしれない。
表立って動いてないだけで、フリーになるのなら自分にもチャンスがあると考えるのは当たり前だ。


…ただ、彼にその気があるのかどうかは別物。
私がどんなに好きだと言っても、課長自身の気持ちに揺らぎはなかった。


だけど、それは私に対してだけで、他の女子なら彼を射止めることができるのかもしれない。
私よりも大人で優しくて愛に溢れた人なら、課長もその人を愛するようになるのかも。



ぎゅっと手のひらを握りしめた。


私ではダメで、そんな人ならいいのか。
課長にはこれからも先も思って貰えず、このまま知らん顔されて終わるのか。


確かにあの時は彼に選ばれなくてもいいと思った。
新しい恋を始めてさえくれれば、相手は自分でなくてもいい…と。


だけど、ホントはそんなのイヤだ。
課長の隣に立って笑うのは自分で、真央ちゃんの母親として好かれるのも自分だけでいいと思ってる。



他の誰にも譲りたくない。
彼の側にいたい……。


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