好きな人が現れても……
そんな気持ちを押し殺したまま、午後の仕事が始まる直前、課長が席に戻ってきた。
私の視線は彼の左手に集中し、確かに薬指からプラチナが消えてることを確認する。
それを見定めてゴクン…と喉を鳴らした。
あの部屋を出ると決めたからなのか。
それとも他に理由があるのか。
課長に問い質してみたい。
そんな思いが胸の中に渦巻いた。
午後の仕事は気もそぞろで入力処理も捗らず、終業時刻になっても私のデスクには仕事がまだ残っていた。
「葉月残るの?」
週末よ…と言う杏梨ちゃんにやってしまわないと帰れないと言い訳した。
上手くいけば課長と二人きりになれるかもしれない。
そんな淡い期待が胸の中にあった。
「そう。じゃあまた来週ね」
週末頑張ってね、と手を振り見送る。
杏梨ちゃんは笑顔で頷き、部署のドアを引っ張り開けた。
後ろ姿がその隙間に消えていくのを見つめ、そのまま視線を彼に向ける。
ノートパソコンの液晶画面が邪魔をして顔がよく見えないけど、まだ残ってそうだな…と安心して目線を下げたら、パタン…とその画面が閉じられた。
私の視線は彼の左手に集中し、確かに薬指からプラチナが消えてることを確認する。
それを見定めてゴクン…と喉を鳴らした。
あの部屋を出ると決めたからなのか。
それとも他に理由があるのか。
課長に問い質してみたい。
そんな思いが胸の中に渦巻いた。
午後の仕事は気もそぞろで入力処理も捗らず、終業時刻になっても私のデスクには仕事がまだ残っていた。
「葉月残るの?」
週末よ…と言う杏梨ちゃんにやってしまわないと帰れないと言い訳した。
上手くいけば課長と二人きりになれるかもしれない。
そんな淡い期待が胸の中にあった。
「そう。じゃあまた来週ね」
週末頑張ってね、と手を振り見送る。
杏梨ちゃんは笑顔で頷き、部署のドアを引っ張り開けた。
後ろ姿がその隙間に消えていくのを見つめ、そのまま視線を彼に向ける。
ノートパソコンの液晶画面が邪魔をして顔がよく見えないけど、まだ残ってそうだな…と安心して目線を下げたら、パタン…とその画面が閉じられた。