好きな人が現れても……
同じ庶務課で彼と会わなくなったのはつまらないけど、お昼休みは出来るだけ一緒に過ごすようにしている。

私の作った弁当を彼に食べて貰い、お母さんが作ったお弁当を私が食べる。

真央ちゃんが好きな物を教えて貰いながら食べ進めると、何だか彼女とも繋がってるようで嬉しい。



そんな風に日々を過ごしながら、今日の良き日を迎えたのだ。


その場で紺野君と喋った後、新しく家族になった三人にお祝いを言いに行った。

相川さんの旦那さんになった高山さんという人は、優しそうだけど仕事では厳しいと聞いてる。


何となく彼女に似てるな…と思いながら会話して、式場を後にしてから三人で向かった場所。



静かな霊園の一角にある、御影石で造られた暮石。

亡くなった奥さんのご実家のお墓で、そこに遺骨が納められてた。


『野村千恵』と彫られた名前を確認しながら掃き清め、花とお線香を手向ける。

三人で交互に手を合わせてから立ち上がると、彼が私のことを手招いた。


側に行くとぎゅっと手を握り、いいの?と思わず彼を見上げた。


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