羽をくれた君へ。
親の前でも智兄の前でも泣かなかったのに、初めてその時泣いたんだ。


そこからリクに病気のことを話して、俺は1日でも早く退院できるように治療に励んだ。


お見舞いに来てくれるのは智兄だけじゃなく、リクや軽音部の友達も来てくれるようになった。


やっと軽音部のみんなに話せたんだ。


病気のことを。


みんなは俺の話を聞いても前と変わらず接してくれた。


何よりも嬉しかった。


そして、退院が近づくとリクは美紅さんを紹介しに来た。


美紅さんはしっかりしていて、リクの夢を応援していた。


リクは見た目は派手だけど、実は結構しっかりしてるからぴったりだなって思った。


それから俺は夏休みが終わる頃に退院した。


「今日で退院だな。おめでとう、魁音。」


「ありがとう。智兄。・・・・・最後まで来なかったな。」


「あぁ。・・・・・でも母さんなりにいろんな思いがあるんだよ。でも、家帰ったらちゃんと自分の言葉で言ってやれ。」


「うん。分かってる。」

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