羽をくれた君へ。
「う、うん。これ使ってダメだった?」


俺がそう言うとリクが急に笑い出した。


「えっ!?何!?」


「あーー、マジかーーー。ここにいたわ。そのギター、弾ける奴。」


どういうことか分かんないでいるとリクが近づいてきた。


「これ、俺の父さんのギターなんだよ。俺が貰った。でも・・・・・・・父さんみたいな音、俺は出せなかった。でも今やっと見つけた。こいつを弾ける奴。」


ギターを手に取りながらリクが話す。


「リクは・・・・・ちゃんと音でなかったってこと?」


「あぁ。・・・・・でも、俺いいもん聞いちゃったからなー。・・・・・・・・・・このギター、魁音にやるよ。」


「えっ!?そんな大事なもの無理だよ!!俺はこんなギター持っててもどうせプロになんかなれないのに。バンドやってるリクの方が使った方がいいじゃん。」


リクの思い出が入ったものを俺がもらえない。


するとリクは力強く言った。


「ギターの相性にプロかどうかなんて関係ないんだよ。お前、このギター弾いてる時の快感忘れられねぇだろ?ってことはこれはお前が使え。例え、余命があと1年でも、弾けるだけ弾きゃあいいじゃねえか。」

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