渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
そしてついに、奴隷船は三週間かけてアルナデール国の港へと到着した。
ハラハラと降る雪の下、カルデアとガイアスは兵を連れてアルナデール国の地を踏む。
「おぉ、盛大な歓迎だな」
「まぁ、なんの知らせも出さずに入国してきたので、当然の反応でしょうね」
大勢のアルナデール国の兵士達に囲まれる中、ガイアスとシュドはいつもの調子を崩さなかった。
「そもそも、海域に海兵を置かないなど、いつ攻め入られてもおかしくないぞ」
「アルナデール国は、海兵はいないのです。それに、この国が無事なのは、貧困国に攻め入ったとしても利益が得られからでしょう」
(言っていて悲しいけれど、海兵を育てる兵士も、他国に狙われる財もこの国には存在しないから……)
驚いているガイアスに、カルデアはそう答えた。
そして、一歩前に出ると、カルデアはローブのフードを脱ぎ、兵士達にその姿を見せる。
「あ、あれはカルデア様ではないか!」
「半信半疑だったが、ナディア国に嫁いだという話は本当だったのか!」
「おぉ、よくご無事で、カルデア様!」
カルデアが鍛練場によく顔を出していた事もあり、兵士達の一部はカルデアに友好的だった。
ここにいるのは、その友好的な兵士達のようだった。