渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
「いやしかし……王妃がなぜ、このような塔にいる?しかも、足枷まで付けられているではないか」
「それは……」
(いっそ、ガイアス様に全て話してしまおうかしら……)
ガイアスがここにいるという事は、この国は敗戦したということだ。
身の上を話して、カルデアはこの国の民を救ってもらおうと考えた。
「……私の母国は、大陸北方の国アルナデールなのです」
「ほう、あの雪の国か。どおりで、お前は肌が白いわけだ。その色素の薄い金色の髪も瞳も、肌に映えて美しい」
ガイアスはカルデアのいるベッドに腰掛けると、髪をひと房掬い、唇を寄せた。
「ガ、ガイアス様っ……」
「塔の上なんて、色気の欠片も無いが……話してくれ、カルデア。お前の話が、聞きたい」
髪に神経が通っているかのように、ビリビリと体が甘く痺れる。ほんのりと火照り始める頬を隠すように、カルデアは俯いて、頷いた。