渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~



「気が合うな、俺もだ」

ガイアスはそう言って、カルデアの手を引いて歩き出す。
ビスカの花達に囲まれながら、町が見渡せる丘の先までやってきた。


「あなたと、またここへ来られて良かった……」


「これから何年先、何十年先でも、共にここから見える国の移り変わりを見守ろう」


「そうね、我が子のように愛しいこの国を」


丘下の景色に目を奪われていると、ガイアスがカルデアの唇に掠めるような口付けをする。


「ガイアス……!?」


カルデアが驚いていると、今度は繋いだ手の指先に口元を寄せてガイアスが笑う。


「国の事は我が子のように愛しているが……俺は、お前似の子供が早く欲しい」

「あっ……そ、それって……」


(私とガイアスの子供って事?)

カルデアは触れているガイアスの唇と子供が欲しい宣言に、茹で上がる程に顔を真っ赤にさせた。


「それで、俺のリクエストは、聞いてくれるのか?」

「っ……旦那様のリクエストなら、喜んで」


伏し目で照れながら答えるカルデアにガイアスは今すぐにでも押し倒したい衝動に駆られた。

「くっ……ふぅ」

それを息を詰めて堪えると、カルデアの耳元に唇を寄せて囁く。

< 204 / 205 >

この作品をシェア

pagetop