渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
「私のような、憎むべき相手の妻にこうされるのは嫌でしょう。振り払いたければいつでもそうしてください」
(でも、許される限りはせめて、ガイアス様の心が少しでも救われますように……)
「……いいや、俺もお前に憎まれるかもしれない」
「どういう……意味でしょうか?」
「……俺は、お前の夫、ヘルダルフを討ち取った」
「……っ!!」
カルデアは、声にならない悲鳴を上げた。
(討ち取った……ということは、私の夫はもう、この世にはいないということ?)
その事実に、カルデアは悲しいのか嬉しいのか、わからずに、ただただ戸惑う。