渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
「ガイアス様……」
「すぐに妻になれとは言わない。だが、婚約者として俺の国に連れていく。それで、必ずお前を落としてみせる」
有無を言わさないガイアスの一言に、カルデアは迷いながらも頷いた。
(ガイアス様は、強引だけれど優しい。ガイアス様の妻になれたらどんなに幸せだろう)
「よし、ならばお前をナディア国に連れていくぞ」
「はい、ガイアス様……」
「カルデア、お前を俺の王妃にするからな」
まるで、恋も戦と同じように、獲物を狙う猛者の瞳で、ガイアスはカルデアを射抜くように見つめる。
(でも……私は未亡人だし、ガイアス様には釣り合わないわ。それに、一度目の結婚も幸せとは程遠く、すぐに誰かの妻になりたいと思えるほど、結婚に夢を見ることが出来ないもの……)
それでもカルデアは、自分の存在が国や民たちの希望に繋がると信じて、ガイアスに付いていくことを決めたのだった。